幸せな死に方って?
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ついこないだまで一日一万歩くらい。ど~かすっとそれ以上近所をウロウロと散歩して歩いて、行き会った知人や全く知らないヒトと会話を交わして楽しんでいた根の明るい義母が、「年寄りの独り暮らし」という理由で入院させられてしまったらしい。
そんな義母から毎日のように電話をもらいます(入院前はこっちからかけていたけど、病室なのでちょいと遠慮するようになっていた)。
「ねぇねぇ、アタシがここにいれば、みんなが安心できるんかねぇ……でも、毎日退屈で……晩ご飯食べたらすることがないんでアンタに電話したんよ」
「テレビのカード買ったんだけど、ニュースはつまらないし、ドラマは知らないし……何を観たらいいのかわかんねぇのよ(彼女はスポーツ番組が好き)」
「何処も悪くないし、お医者だって全然診察に来ないんだよ。あたしゃ、なんで入院しているんだろうねぇ」
「周りが爺と婆ばっかりで、ろくすっぽ話せないんだよ」……ちょっと笑った。
「玄関の外に新聞が溜まって飛び散ってたっつって、ご近所さんから電話が来たのよ。○○ちゃん(義妹)が片付けてくれたらしいんだけど、出し抜けにここに来ちゃったから、みんな何も知らないんだよ。新聞屋さんの電話番号知らないし……(彼女は新聞を三紙取っている)」
「東京はえらいことになってて、〝病気の巣〟ってみんなが言うんだよ。アンタは大丈夫なのかい?」
「そろそろ赤城山(群馬の銘酒)の新酒が出来るから、アンタに送りたいんだよ。アタシも飲みたいし……井筒屋(古い付き合いの酒屋さん)にも逢いたいよ」
「退院したら、すぐにでも東京まで墓参りに行きたいけど、東京に行ったら遊んであげないよ。ってみんなが言うんだよ。やあねぇ……」
「でも、元気だから、心配しないでね。アンタも元気でね。アタシはアンタに電話するくらいしか楽しみがないんだから……」
……ん~……相変わらず一歩通行だけど、惚けてもいないし身体が不自由なわけでもないらしい……ひとつひとつ突っ込んでみるんだけど、聞こえないのか聞こえないふりをしているのか……日常突っ込み気質なくせに、義母相手限定でとことん聞き上手になるにしあに。
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自宅で独り暮らしをしていて、何か事故があったり、怪我をしたり、ど~かすっと死んじまったりしたらいけねぇ。と思って病院で安心な生活をさせてあげよう。という、近親者の気持ちはとても理解出来るんだけど、本人の意思を聞かずに無理矢理隔離するような事をしていると、惚けちまっちゃうんじゃないかいな……安心ってのは、誰の安心なんだろう。
ノイローゼになって、病院から緊急連絡をもらって死に目に間に合う。
自宅で好き勝手暮らしつつ、電話で婿との会話を楽しんだあと、「ああ、またヨコハマのハーバーを送ってくれるってさ。楽しみだねぇ」なんつってニコニコしながら台所の電球を取り替えようとして、素ッ転んで死んじまった所為で死に目に会えなかった。
……本人にとっては、どっちが幸せな死に方なんだろう……んま、今のところ声を聞く限りビックリするくらい長生きしそうなほど元気なんだけど……寿命を縮めなけりゃいいなぁ……自身を「役立たず」と感じた瞬間、ヒトは生きていたくなくなるものだ。
ビックリするくらい長生きのウチのレディである愛猫・エヴァのトイレ掃除をしながら、「伯父や伯母から、だったらお前がなんとかしろ! って言われても、おりゃ何もできねぇしなぁ……出来ることをするしかない……精々どんどん義母の声を聞きながら、笑って頷いて褒めてやろう……」
と思うしかないにしあにだったのでした(ФωФ)
[写真]先一昨日のセミナーの打ち上げで食べたうな丼。
今年は外食が少なくて自炊が多い所為か、鰻を食べる機会が多かったなぁ……。
ご馳走=うな丼。という、昭和なオッさん (*´ω`*)
★アメーバ版モジモジ日記は
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